木造男神・女神・猿神像【加茂市指定有形文化財】
室町時代後期 男神43.2cm 女神38.0 猿神30.6
新潟県 加茂市の神社
修復前 修復後 ●損傷状態 ●修復j作業 出てきた虫糞 |
●像の概要 虫食いによって皮一枚になってしまっている部分もあって、触ることもままならない状態であった。非常に大きな損傷を被っていた。緊急に処置が必要であった。 本像は16世紀の御像として市の文化財指定されており、古い信仰が地域の方々によって守り伝えられてきた非常に貴重な御像である。 修復を行い形状を補修していくと、男神像は意識的に隻眼の像として制作されていたことが分かった。 男神・女神はトチの木製で、猿神は杉材製である。 造形の違いからも猿神は後世に造り足された像と推定する。 ●修復基本方針 ・像の造像当初に形状を重視した修復を行った。 ・ノミ跡までをきちんと残す修復を行った。 ●修復作業 ・害虫を蒸散性の殺虫剤で駆除した。 ・腐朽した部分には合成樹脂を含浸し、強化した。 ・虫穴一つ一つから合成樹脂を皮下注入して彫刻表面を強 化した。 ・虫穴一つ一つに漆木屎を充填整形し、形状を補修した。 補修部分にのみ色を置いて補修部分を目立たないように した。 |
●修復後記
虫食いの損傷が非常に大きく、大変な修復となりました。皮一枚になっている部分も多く、虫穴一つ一つを処置する地道な作業でした。ノミ跡までしっかりと残せました。
地域の中で室町時代の神像が残されており非常に貴重な御像でした。
山間の集落で古来から住み良いところだったのでしょう。
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