木造地蔵菩薩坐像
江戸時代後期
 総高68.0cm 像高31.4cm

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岩手県 奥州市の寺院 (浄土真宗)           

●修復前後









●修復中


             
主な損傷の状態
・岩手宮城内陸地震により転倒したが、地震による損傷は ほとんどなかった。
[像本体]
 
・首周辺の部材の遊離、欠失。
 ・左袖口、両手先、腹前材、持物(錫杖、宝珠)  の欠失。
 ・背面材の遊離

[台座]
 
・接着剤の経年劣化による矧ぎ目の緩み。
 ・反花の小欠失。

[光背]
 
・部材の遊離。

主な施工内容
・クリーニング
 表面のスス汚れを除去した。
解体
 首、台座の部材の全てを一旦解体した。
解体写真
 解体した様子を写真に記録した。
体躯地蔵納入
 像内部に体躯地蔵を納入した。

接合
 接着剤とステンレス釘を併用して接合した。
修復銘札納入
 台座内部に今回の修復の記録として修復銘札を桧 板に墨書していただき納入した。

補修
 首周辺の欠失箇所をヒノキ材及び漆木屎で補修し た。
・新補
 欠失していた両手先、左袖先、錫杖、宝珠をヒノ キ材にて新補した。

漆箔
 錫杖と宝珠は漆塗り漆箔を施した。

矧ぎ目処理
 接合部分の隙間を漆木屎で補修した。
色合わせ
 補修した部分にのみ色を置き、周囲と違和感のな いようにした。

◆修復後記
体幹部と蓮肉を一木から彫出し、挿首という面白い構造技法でした。胎内仏を中に入れています。


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