◆◆仏の三十二相、八十種好◆◆ |
仏の姿は我々普通の人間とは違う、特別な相を持っています。それは、常人とははかけ離れた姿を表わしています。仏像にもその相が取り入れられ、超人間的な仏の姿を表わしています。 |
これらの事を全て盛り込んだ像は実在しないと思います。
1.足下安平立相(そっかあんぺいりつそう)
足の裏が平ら。
2.足下二輪相(そっかにりんそう)
足裏に千幅輪が描かれている。
3.長指相(ちょうしそう)
手足の指が長い。
4.足跟広平相(そくこんこうへいそう)
足のかかとが広い。
5.手足指縵網相(しゅそくしまんもうそう)
手足の指の間に水掻きがある。
6.手足柔軟相(しゅそくにゅうなんそう)
手足が柔軟で高貴の相を示す。
7.足趺高満相(そくふこうまんそう)
足の甲が高く盛り上がって、亀の甲のようである。
8.伊泥延膝相(いでいえんしつそう)
鹿の膝のように円く、繊かである。
9.正立手摩膝相(しょうりつしゅましつそう)
直立した時、手が膝に届く位長い。
10.陰蔵相(おんぞうそう)
陰部が平常は体内に隠されている。
11.身広長等相(しんこうちょうとうそう)
身長は手を横に広げた長さに等しい。
12.毛上向相(もうじょうこうそう)
全ての毛が上に向かって生えている。
13.一一孔一毛生相(いちいちこういちもうしょうそう)
毛穴には全て一本ずつの毛が生えている。
14.金色相(こんじきそう)
全身が金色に輝いている。
15.丈光相(じょうこうそう)
体の周りに一丈の長さの光が輝いている。
16.細薄皮相(さいはくひそう)
体の皮が薄く、一切の塵も汚れも付いていない。
17.七処隆満相(しちしょりゅうまんそう)
両手、両足、両肩、首筋の肉が円満で、柔軟微妙である。
18.両腋下隆満相(りょうえきかりゅうまんそう)
腋下にも肉が付いていて、凹所を作らない。
19.上身獅子相(じょうしんししそう)
上半身の威容端厳なること獅子のようである。
20.大直身相(だいちょくしんそう)
体は広大で、端直無比である。
21.肩円好相(けんえんごうそう)
両肩が円満で、豊かである。
22.四十歯相(しじゅうしそう)
40本の歯が美しく並び、鮮白で、清潔である。
23.歯斉相(しせいそう)
歯の大きさが一定しており、隙間が無く、離れて見ると一本に見えるように美しい。
24.牙白相(げはくそう)
上下4本の牙は鮮白で、鋭利である。
25.獅子頬相(ししきょうそう)
獅子のように両頬が膨らんでいる。
26.味中得上味相(みちゅうとくじょうみそう)
何を食べても、いつも最上の味である。
27.大舌相(だいぜつそう)
舌が軟薄で、広長で、口より出せば顔全体を覆い、髪の生え際まで届く。しかし、口に入っていても口中に一杯にはならない。
28.梵声相(ぼんじょうそう)
梵天王の5種の声のように美しく、大きく、聞く者を感嘆させる。
29.真青眼相(しんせいがんそう)
眼は青蓮華のように、紺青色である。
30.牛眼睫相(ぎゅうがんしょうそう)
牛王のようまつげが長く美しく、乱れてない。
31.頂髻相(ちょうけいそう)
頭頂の肉が隆起しており、その形が髻のようである。肉髻の事。
32.白毫相(びゃくごうそう)
眉間に白い毛が右旋しており、常に光りを発している。
その他にも八十種好という副次的な決まりごとがあります。その代表的なものを挙げます。
・耳が肩まで届く程垂れ下がっている。
・耳たぶ(耳朶)に穴があいている。(耳朶環状)
・のどに3本のしわがある。(三道)
・眉が長い。
・鼻の穴が見えない。
・へそが深く、右回りの渦に巻いている。
『仏教美術入門』 佐和隆研 現代教養文庫を参考にいたしました。
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