◆◆修復の程度◆◆
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像の損傷の度合いに応じて修復の程度はいくつかに分類されます。

全解体根本修復以外は、近い将来別の部分が壊れる可能性が残り、また、後世の修理によって覆い隠された造像当初の造形に戻す事ができない場合があり、修復としては中途半端になってしまう恐れはあります。
 しかし、構造的に解体する必要がない場合も多いです。

●全解体根本修復

全ての部材を一旦解体し、鉄釘を除去し、後世の修理部分によって補われた部材を取り除いて、根本的に補修を行います。この方法だと、像をより造像当初の造形に戻す事が出来ます。そして、これから永い年月、大きな修復を行う必要はなくなります。     

●部分解体修復

容易に外れてしまう部材だけを取り外して再接合します。将来的にまた別の部分が壊れる可能性は残りますが、ある程度構造がしっかりしていれば、わざわざ全体を解体する必要はありません。内部で補強出来る場合は補強材を入れて、構造強化を図ります。

●応急修復

すでに外れてしまっている部分のみを 再接合します。この場合、将来、行われるであろう修復を視野に入れて、除去可能な接着剤を用いて処置を行います。

●表面修復

像の構造自体には損傷が見られない場合は、解体はせずに補修、表面の清掃、剥落止め、色合わせ等を行います。

●表面清掃

表面の汚れのみを除去します。

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