木造地蔵菩薩立像
16世紀か
新潟県の個人蔵
●修復前
●修復後
●修復中
●法量(cm)
総高 36.4
像高 25.7
●形状
[本体]
円頂。白毫相、三道相をあらわす。耳朶貫かず。左手は屈臂し、掌を上に向け五指を開き、持物(宝珠)を執る。右手は垂下し、掌を左に五指を捻じ、持物(錫杖)を執る。
覆肩衣、衲衣、裙を着ける。(覆肩衣は右腹前でたるませたくしこむ。衲衣は偏袒右肩に着け、右胸前で初層を引出し上層に懸ける。端を左肩に懸ける。)台座上に立つ。
[台座]
蓮台(蓮弁彫り出し)。三重框座(八角形)。
●品質・構造
[本体]
木造一木造り(カツラ材)。内刳りなし。彫眼。両手先差し込み矧ぎ。持物別材。像底は平面に整えられ、背面地付き付近に和釘にて留められていた。表面漆塗り。
[台座]
木造(カツラ材)。蓮台、三重框座を一材より取る。表面漆塗り。
●損傷状況
[本体]
・形状の欠失箇所がある(左瞼。唇。耳朶。両手指など)。
・部材が亡失している。(両足先。宝珠。錫杖)
・背面の釘留めによる欠失。
[台座]
・虫食いによる損傷により彫刻表面が弱まっていた。
●所見
・彫刻の造形のとりかた、耳朶の形状、厚みのある体躯、背中の丸みのある造形より、中世に遡る16世紀制作の御像と考える。個人のお宅で中世に遡る御像を安置されているのは非常に貴重。
●修復基本方針
・御像の歴史を尊重した文化財としての修復を行う。安易な塗り直し修理は
・像本体の欠失・亡失部分を補修し、持物を補った。
◆修復後記
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