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仏像修復家の私が、お薦めする本です。絶版のものもありますが、面白い事請け合いです。 Amazon.co.jpを利用して購入していただけます。絶版になり手に入りにくいものもありますが、古書として購入出来るものもあるので気長に検索してみて下さい。1500円以上購入すると送料は無料になります。なかなか無い場合は、古本の検索サイトにて検索されてみるのも良いでしょう。 |
◆表記説明
◎:特にお薦めする本です。
入手やや難:古書検索サイトで割合簡単に見つかると思います。
入手難:非常に希少な本。古書検索サイトでこまめに探すと、運が良ければ見つかります。作者名のリンクをクリックすると、作者の関連書籍が表示され、私が紹介した以外の本が探せます。
『仏像のひみつ』 山本勉 朝日出版社 2006 東京国立博物館の「親と子のギャラリー」という、仏像初心者にもやさしい展示が行われた際の内容を本にしたものです。仏像彫刻史の専門家が、あまり専門用語を使わないで、写真やイラストを用いて分かり易く説明されています。イラストが、ほのぼのしていて気に入りました。内容自体も濃いので、初心者から専門家まで楽しめると思います。 帯には「伝説の仏像本、ついに誕生!」と書かれています。なかなか良いコピーです。皆さんにも一読をお勧めします。 |
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◎『秘仏開眼』 西村公朝 淡交社 昭和51年 [絶版]入手難
長年、美術院国宝修理所で仏像の修復にあたった氏が、貴重な写真を交えつつ修理の裏話を語っている。
◎『仏像は語る』 西村公朝 新潮文庫 1996年
修復家でもあり、僧籍を持つ著者が仏像や仏像修復をとりまく話を、やさしく面白く紹介している。
◎『南都の匠 仏像再見』 辻本干也・青木茂 徳間書店 昭和54年 [絶版]入手難
美術院国宝修理所で仏像の修復にあたっていた氏が、仏像修復の裏話を語っている。
『日本の美術 (No.452) 彫刻の保存と修理』 根立研介 至文堂
仏像修復に関する最新の出版物。現代の仏像修復の概観が分かる。『日本の美術 (No.451) 漆工品の修理』 鈴木規夫 至文堂
漆工品の修復に関する最新の出版物。◎『文化財のための保存科学入門』 京都造形芸術大学編 角川書店 平成14年
様々な第一線の文化財保存科学・修復の研究者が、それぞれの分野の最新の研究成果を書いている。文化財の保存全体を概観するのによい。様々な研究をしている事に驚かれると思う。仏像修復については、写真資料をまじえて分りやすく書かれており、お薦め。『仁王像大修理』 東大寺 朝日新聞社 1997年 入手やや難
運慶・快慶が作ったとされる、東大寺南大門の仁王像の修復の過程で浮かび上がった、たくさんの事実を紹介し、謎を解く一冊。
●仏像関連
◎『仏像の再発見―鑑定への道』 西村公朝 吉川弘文館 昭和51年 入手難
仏像の各時代ごとの様式、かたちの変遷を図を用いて分りやすく解説している。◎『仏像のみかた<技法と表現>』 倉田文作 第一法規 昭和40年 入手難
時代ごとに仏像の例をあげて、その構造・技法を貴重な写真を用いて解説している。像底や内部の写真、台座・光背についての論述などもある。
◎『日本仏像史―カラー版』 監修=水野敬三郎 美術出版社 2001年
日本の仏像彫刻史の最新概説。これを読めば日本の仏像史がよく分かる。◎『目でみる仏像[完全普及版]』 田中義恭・星山晋也 東京美術 2000年
色々な像種の仏像の説明が詳しく、たくさんの写真を用いて分りやすく書かれている。『やさしい仏像の見方』 西村公朝・飛鳥園 新潮社とんぼの本 1983年
◎『仏像の見分け方』 西村公朝・飛鳥園 新潮社とんぼの本 1987年
仏像の時代による、目や口や耳の形の様式の移り変わりを、写真で分かりやすく説明しているページがあります。◎『仏像彫刻の鑑賞基礎知識』 光森正士・岡田健 至文堂 1993年
初心者から上級者まで楽しめる、仏像の様式や技法の解説書。『仏像事典』 久野健 東京堂出版 昭和50年 入手難
仏師・用語の索引解説がついており、用語を調べるのに便利。『江戸仏像図典』 久野健 東京堂出版 1994年 入手難
仏師の索引解説がついており、江戸時代の仏師を調べるのに便利。『仏師の系譜』 佐藤昭夫 淡交社 昭和47年[絶版] 入手難
仏師ごとに章を分けた説明が面白く分りやすい。『運慶』 副島弘道 吉川弘文館 2000年
最近浮かび上がった事実を元に論を展開した仏師運慶研究の最新版。◎『運慶の挑戦』 上横手雅敬・松島健・根立研介 文英堂 1999年
表紙の絵は変ですが、内容は充実の運慶論。歴史家の冷静な見解と彫刻史家のロマンを溢れる見解の対比が面白い。『仏像と人の歴史発見.』 清水真澄 里文出版 平成11年
墨書や納入品と通じて、仏像を人間との関わりの中でとらえていて、面白い。『仏像の歴史 』 久野健 山川出版社 1987年
飛鳥時代から江戸時代まで時代別に仏像史を分かりやすく解説している。
◎『仏像』 久野健 学生社 1961年
X線等の科学でとらえた仏像。とくに面白いのは浄楽寺と願成就院の運慶作品を発見したてん末の臨場感のある文章。
『秘仏』 久野健 学生社 1978年『魅惑の仏像』 毎日新聞社
日本を代表する仏像の写真集。全?巻。古い版の方が大きいので、古い版の方をお薦めする。『仏像を旅する』 西川杏太郎 至文堂 平成2
地方ごとに巻が分かれている。仏像巡りの必需品。かなり細かくそれぞれの地方の仏像を網羅している。◎『文化財五十年をあゆむ』 西川杏太郎 竹林社 2003年
彫刻史家として、文化庁の技官として、博物館側の人間として、仏像文化財の保存に長年携わられた氏の様々な経験がつづられている。仏像修復に使用されている合成樹脂などの話は、一般になかなか知る事が出来ないので貴重。
『国宝・重要文化財大全〈3〉彫刻(上巻)』
『国宝・重要文化財大全〈4〉彫刻(下巻)』 文化庁 毎日新聞社 1998年
日本の国宝や重要文化財に指定されている仏像彫刻の写真が全て収められている。
『日本彫刻史基礎資料集成』 中央公論美術出版社
造像銘が残されている仏像の写真図版がたくさん載せられている本。平安時代編、鎌倉時代編が刊行されている。
●文化財保存科学
『文化財の保存と修復』 岩崎友吉 NHKブックス 昭和52 [絶版] 入手難
東京国立文化財研究所の保存科学者で文化財保存科学の草分け的存在であった氏が、その保存修復の思想と具体例を語っている。『古美術の科学 材料・技法を探る』 小口八郎 日本書籍 1980年[絶版] 入手難
古美術の材料・技法を科学的な目でみつめ直している。『日本の美術 (No.400) 美術を科学する』 田中琢 至文堂
現在行われている最新の文化財の分析法を分かりやすく紹介している。『古美術保存の知識』 登石健三 第一法規 昭和45年[絶版] 入手難
文化財をとりまく保存環境を、文化財を長く伝える為に、科学的に研究した本。
◎『文化財害虫事典』 東京文化財研究所編 クバプロ 2004
様々な虫害を、文化財の素材別に、たくさんの写真を交えて解説している。
●仏像の素材関連
『木の文化』 小原二郎 鹿島出版会 昭和47年[絶版]
仏像の用材についての研究。現在では、その研究内容に多少誤りが見つかったが、この分野の研究はあまりなされておらず、貴重な本である。『法隆寺を支えた木』 西岡常一・小原二郎 NHKブックス 昭和53年[絶版]
宮大工・西岡常一と小原二郎という木を知り尽くした二人が、木材の歴史と科学を語っている。『MUSEUM 東京国立博物館研究誌555号』
唐招提寺の木心乾漆群がカヤ材を使用している事を科学的に実証し、仏像の用材について一歩進めた研究が納められている。『木の語る中世』 瀬田勝哉 朝日選書 2000年
いにしえの人々が木材についてどのように考え、接していたかを研究している。
●漆工関連
◎『日本漆工の研究』 沢口悟一 美術出版社 1966年[絶版] 入手難
かなり古い本であるが、現在でも一番ベーシックな技法書。たまに古本屋で3万円ぐらいで売っている希少本。◎『漆芸品の鑑賞基礎知識』 小松大秀/加藤寛 至文堂 1997年
漆工品の技法や素材や構造について絵や写真を用いて体系的に書かれている。『漆芸の伝統技法』佐々木英 理工学社 1986年
『漆芸入門』 安倍郁二 他 光芸出版 昭和47年 入手やや難
『うるし工芸辞典』 光芸出版社 昭和53年 入手やや難
『うるしの話』 松田権六 岩波文庫 1964年
『漆芸―日本が捨てた宝物』更谷富造 光文社新書 2003年
漆工品の修復家である著者が修復について、漆工品製作の世界について誰にも遠慮せず書いていて面白い。『漆の文化―受け継がれる日本』 室瀬和美 角川選書 2002年
漆工品修復家であり、漆工品作家でもある著者が、漆について詳しく語っている。『日本の意匠―蒔絵を愉しむ』 灰野昭郎 岩波新書 1995年
蒔絵に使われている意匠の成り立ちなどが、それぞれ詳しく解説されている。『古代出土漆器の研究』 岡田文男 京都書院 1995年
出土漆器の断面の顕微鏡写真が多数おさめられており、古代の漆芸技法の考察に役立つ。マニア向けの本。
●木工関連
『木工の鑑賞基礎知識』 木内武男 至文堂 1996年
●正倉院関連
◎『正倉院の匠たち』 青山茂 編 草思社 1983年 入手やや難
一旦途切れてしまった正倉院宝物の技法を解明し、模造を手掛けた職人達による貴重な話。
●道具の本
『刃物の見方』 岩崎航介 三条金物青年会 昭和44年[絶版] 入手難
良い刃物とはどういうものかを科学的に突き詰めた幻の本◎『道具曼陀羅』全4巻 村松貞次郎 毎日新聞社 昭和51年[絶版]
見とれてしまうほどの美しい大工道具達の写真集。◎『日本の伝統工具』 土田一朗 鹿島出版会 1989年
名工千代鶴是秀とも親交のあった著者が、よい大工道具とはをつきつめて語っている。『日本の手道具』 秋岡芳夫 創元社 1977年[絶版] 入手難
『千代鶴是秀』 白崎秀雄 昭和53年[絶版] 入手難
明治の道具鍛冶。伝説の名工の伝記小説。名人ゆえの悲哀があらわされている。『道具と手仕事』 村松貞次郎 岩波書店 1997年 入手やや難
『江戸東京大工道具職人』 松永ゆかこ 冬青社 1993年
絶滅しつつある現代の大工道具職人を取材した文章。『木工-道具の仕立―』 秋岡芳夫 美術出版者 1976年
大工道具の仕立て方。
●美術史
◎『日本美術史年表』 辻惟雄 美術出版社 2002年
日本美術の流れが、建築、絵画、彫刻、工芸を含めて年表形式で書かれている。年号の出典も書かれており、作品の前後関係がよくわかる。ぱらぱらと読んでいても再確認できる事がたくさんあります。
●その他
『明治天皇を語る』 ドナルド・キーン 新潮新書
知られざる明治天皇の側面が語られていて面白い。『武士の家計簿-加賀藩御算用者の幕末維新』 磯田道史 新潮新書
幕末の武士の暮らしぶりが、その家計簿を通じて見ることによってよく分かる。『「法隆寺日記」をひらく廃仏毀釈から100年』 高田良信 NHKブックス 昭和61年
明治の廃仏毀釈運動からの法隆寺の復興の様子が描かれている。法隆寺のような大きな寺院でも苦労の時代があった事が分かる。『お仕事は文化財』 釘田寿一 朝日新聞社 1998年
文化財に関係する色々な仕事人を取材した本。
『明神さまの氏子とお神輿』 江都天下祭研究会 武蔵野書院 2001年
神田祭りのお神輿の写真集。我が町内の神輿も載っています。『ものと人間の文化史』 法政大学出版局
民俗学から考古学までいろいろなテーマを掘り下げた論述。
『日本史再発見ー理系の視点から』 板倉聖宣 朝日新聞社 1993
理系の視点からが歴史を見ると面白い。第1部では、日本の車輪の付いた乗り物の時代変遷が、どうして西洋のそれとは全く反対となっているのかについて。第2部では、江戸時代の人口統計を見ることで、人口と年貢の変遷が経済に及ぼす影響がよく分かる。現代の人口減少社会に通じる教訓がある。
●彩色関連
『図解日本画の伝統と継承−素材・模写・修復』 東京芸術大学 東京美術 2002年
『日本の美術 (No.373) 截金と彩色』 有賀祥隆 至文堂
●修復材料関連
『接着技術のはなし』 柳原栄一 日本実業出版社 1997年
『接着の科学』 井本稔・黄慶雲 岩波新書 1965年
『おもしろい接着剤のはなし』 本山卓彦 日刊工業出版社 1989年
『接着の科学』 竹本喜一・三刀基郷 講談社ブルーバックス 1997年
●絵画修復関連
◎『眠れる名画―スリーパーを競り落とせ!』 スリーパーを競り落とせ! フィリップ・モウルド 1996年
オークションの内部に渦巻く、絵画の掘り出しものをめぐる目利きたちの攻防。『油絵を解剖する−修復から見た日本洋画史』 歌田真介 NHKブックス 2002年
『絵画鑑識事典』 クヌート・ニコラウス 美術出版者 1988年 入手難
『絵画学入門―材料 技法 保存』 クヌート・ニコラウス 美術出版者 1985年 入手難
●宗教
『日本の仏教を知る事典』 奈良康明 東京書籍 1994年
◎『Books Esotericaシリーズ』 学研
仏教や他宗教をそれぞれの巻で宗派別に、初級者でも分かるように、写真や図を用いて説明している。
●歴史
『日本の歴史をよみなおす』 網野善彦 筑摩書房 1991年
教科書では習わない歴史。別の視点から歴史をとらえていて面白い。『続・日本の歴史をよみなおす』 網野善彦 筑摩書房 1996年
日本の美術 至文堂 監修:文化庁・東京国立博物館・京都国立博物館・奈良国立博物館
美術・考古などの専門的な内容を毎月一つのテーマで出版している。それぞれの分野を概観するのに適している。かなりマニアックな研究分野もあるが、写真をふんだんに用いているので、専門家から初心者まで楽しめる。
月刊 文化財 第一法規 (今月の月刊文化財の内容)
わが国の指定文化財を中心に、概念の変遷や学説の動向、国内外の豊富な事例紹介等文化財にかかわるあらゆるテーマを、各分野の第一人者の解説、多くの写真とともに取り上げる唯一の文化財雑誌。
月刊 文化庁月報 ぎょうせい (今月の文化庁月報の内容)
文化関係の官民著名人を集め、我が国の文化に関係するホットなテーマを特集している。都道府県の文化行政レポートや文化財の紹介、文化庁関係の行事等も掲載。連載の長官インタビューが好評らしい。
MUSEUM 国立博物館
美術や考古の作品の研究が掲載される。仏像や仏像修復について書かれている時もある。国立博物館内で販売されている。
その他の仏像関連の本(管理人が読んでいないAmazon.co.jp推薦の本)
その他の参考文献はこちらから
大学時代に興味を持った即身仏・ミイラ研究の本を紹介しています。
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