厨子入り薬師如来坐像 江戸時代
新潟県 長岡市の寺院 (曹洞宗)
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・長年のほこり・すすにより表面が汚れて いた。 ・虫食孔が散在していた。 ・形状の欠失部分があった。(特に右袖先、 右膝) ・右手先が欠失していた。 ・表面漆塗膜が欠失した部分と虫食い ・鼠に よって欠失してしまった部分に暗灰 色の色が塗られていた。 ・左手先が適正な方向に付いていなかった。 [台座・光背] ・ほこり・すすにより表面が汚れていた。 ・表面漆塗膜が剥離している部分があった。 ・小さい打ち傷、欠失箇所があった。 ・飾り金具が欠失している箇所があった。 ・下框の接合が不安定であった。 ・龍の頭が欠失していた。 主な施工内容 ・表面塗料除去 像前面に塗られた後補塗料を、薬剤と刃物 を用いて除去した。 ・樹脂含浸強化 木材腐朽によって強度が無い部分と虫穴内 部に、樹脂溶液を注入して強化した。 ・虫食孔補修 虫食孔に漆木屎を用いて充填整形し補修し た。 ・小欠失箇所補修 小欠失箇所に漆木屎を用いて補修を行った 。 ・欠失箇所新補 大きな欠失箇所は、ヒノキ材を彫出して、 新しく補った。(手先) ・下地 補修部分に膠下地を施した。 ・漆塗り 下地塗布部分に塗り漆を塗った。 ・漆箔 漆を塗った部分に金箔を貼り、周辺と合わ せた。 ・補彩 補修部分にのみに周囲と違和感のないよう、顔料 などを用いて補彩を施した。 |
◆修復後記
・像表面には後世の修理時に塗料が塗られていた。右袖先を修理した際に全体を暗灰色に塗り損傷をごまかされていた。その下には金色がよく残されていた。金色を取り戻せた。
・厨子のスス汚れは長い間お参りされてきたことを表している。これを今回非常にきれいにクリーニングできた。
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