解体
HOME仏像の修復について修復工程例→解体

釘が錆び付き、接着剤が劣化して強度が無くなっている場合は、部材を一旦解体し、組み直します。

後世の修理時に形がずれて組み立てられている場合もあり、仏像の修復とは、一旦解体し形のつながりを再構成することでもあります。

 釘の頭を一旦叩き、根の生えたように広がっている釘の錆を切り、矧ぎ目の接着剤を除去した上で、楔(くさび)を使って、矧ぎ目を開いていき、像を部材単位に一旦解体します。


 鎌倉時代までの釘・鎹は上質な鉄を鍛えていますが、江戸、明治、現代と進むにつれて、鉄が粗悪になり、錆びやすくなっています。
 特に明治以後に入って来た洋釘は、太さが一様なので錆びて根が生えると、釘の向きに合わせてうまく叩かないと錆が切れません。

 また、接着剤が膠の場合には除去は、容易ですが、麦漆の場合には困難を極めます。

 住職さまや信者さんの中には、バラバラに解体された仏像は見ていられないという人もいらっしゃいますが。きちんと魂を抜いてからの作業なので御安心を。


このサイトの御意見・御感想は、butuzou★syuuhuku.com
                       (★を@に変えて送信下さい)まで

HOME :http://syuuhuku.com