クリーニング
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 後補箇所が除去出来た後に、像全体の表面の汚れを落としていきます。

 綿棒にぬるま湯を含ませて拭きとったり、薬剤を用いて除去したりします。

 仏像は長年のホコリ、ロウソクや線香のススが固まって汚れている事が多く、それを薬剤を用いて除去することだけでも、像のかたちがすっきりと見えてきます。

 あまりの汚れで金色の像が真っ黒になっている場合もあります。沢山の方に信仰されて、沢山お参りされた事が伺えます。このような像もクリーニングによって、造像当初の金の輝きを取り戻す事が出来る場合もあります。

 仏像を鍋で煮て、造像当初の表面も後補の表面も一緒に落としてしまう、という安易な方法をとる業者もおりますが、木材の乾燥過程で木が歪んだり、割れたり、木質が劣化したりします。
 何よりオリジナル部分も同時に落としてしまう事になり、現代修復の倫理からは外れた所業です。

 我々文化財の修復家は、オリジナル部分を守る為に四苦八苦しているのですから。


塗り替えは一切行わず、クリーニングと補修でここまで修復できる。


     半分クリーニングを行った状態。元々の金色が出てきた。


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