虫喰い穴の補修
HOME仏像の修復について修復工程例→虫喰い穴の補修

 虫に喰われた穴を一つ一つ、漆木屎や、合成樹脂を用いて埋めていきます。

 その場合に虫穴の周りの彫刻表面には決してかぶる事のないよう気を付けます。

 たくさん虫に喰われた像でも、虫穴を埋めて彫刻が繋がってくることで、造形がしっかりと見えて来ます。
虫穴だらけのお顔を補修すると、ふくよかな印象を取り戻す像もありました。

 彫刻表面下の木質を虫に喰われ、強度が不足する場合には、合成樹脂を充填して、強度を保ちます。


 虫喰いはきちんと手間をかけて埋めていけば、直る損傷です。手を抜いていっぺんにパテを塗ってしまう業者もおりますので注意が必要です。

 反対に腐朽して彫刻表面がなくなってしまった部分は、その部分を補うべきか、そのままにするべきか判断に苦しむ場合もあります。これを復元しはじめると、際限がなくなり、想像の部分が多くなって、かえって造像当初の形状から離れていく事が懸念されるからです。

一つ一つ埋めていきます。

虫穴拡大

修復後はかたちがしっかりと見えるようになりました。

このサイトの御意見・御感想は、butuzou★syuuhuku.com
                       (★を@に変えて送信下さい)まで

HOME :http://syuuhuku.com